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ワインのお宿 天橋立2

友人から「天橋立に行ってみない?」と言われ、すぐに浮かんだのがワイナリーも持っている「ワインのお宿ちとせ」です。
(HPを見ると、「ワインとお宿 ちとせ」とあるのですが、いつのまにか「ワインのお宿」と思い込んでおりました。)
いつか泊まってみたいと思いながら、もう、15年ほどの月日が経っていました。

期待以上のすばらしいお宿でした。
食事の食材はもちろん、部屋に置いてある小さな物まで一つひとつが大切に選ばれていて、心と身体が潤ってくるような空間です。
主のお客への思いやりがいたるところに感じられて、そこにはぬくもりのある上質さがありました。
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甘味がなんともいえないトウモロコシの冷たいスープにはじまり、新鮮な地元の食材を使った和洋折衷の食事。
マリネも美味しいけれど、やっぱりお刺身も、冷たいスープも美味しいけれど、アサリのおすましも滋味がある。そして、ステーキの後は、お蕎麦で締めくくり、口がさっぱりするデザート・・・。
という具合に欲張りな食べ手の希望を先読みするかのような絶妙なメニュー構成でした。

大満足で、部屋に戻ろうとすると、「これ、お夜食にどうぞ」と渡されれたのが、小さな行李に入ったジャコのおむすび。
なんて、素敵な心配り! でも、お腹はいっぱいだし・・・と思っていたのですが、数時間後にはすんなりお腹におさまってしまいました。
それほど、美味しかったのです。

このお宿は智恵の仏様「文殊菩薩」を祀る智恩寺の門前にあります。
お宿「ちとせ」の母体である「ちとせ茶屋」も宿に向かいに健在です。
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智恩寺の門前には「食べると知恵がつく」と言われる「智恵の餅」を出す茶屋が数軒あるのですが、このあたりの宿はすべて、この「智恵の餅」の茶屋が母体となっているそう。
そんな宿のなりたちにも風情を感じました。
# by lily_ririka | 2013-10-04 00:56

海の京都 天橋立 1

9月のはじめ、ゆっくりめの夏休みで京都に行きました。
天橋立に二泊、京都市内に一泊という旅です。

天橋立は友人の発案で。
前から丹後には憧れていましたが、それが京都府にあることさえ、認識していませんでした。
まだ暑いからと、ちょっとリゾート気分も期待して。

京都から天橋立は2時間くらいの距離なのですが、豪雨のため、5時間くらいかかって到着。
宿にチェックインすると、テラスでウェルカムドリンクをどうぞ、と見せてくださったメニューにシャンパンを見つけた私達は大喜び。

シャンパンの向こうには穏やかな海面。
東京での生活がうそのように遠くに。
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せっかくなので、ランチもとることにしました。
3時頃にやっとありついたお昼。
天橋立の名産というオイルサーディンのサンドイッチです。
シャンパンとよく合います。
もうこの時点で、この旅は大満足になりました。
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宿泊客が少なかったせいか、アップグレードしてくださり、海が真下に見下ろせるお部屋に。
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赤い橋は、廻旋橋といって、船が通るたびに90度旋回します。
通る船も観光船というより土などを積んだ「働く船」。
優雅な風情のこの赤い橋が廻る光景はなかなか楽しいものでした。
大正時代は手動で廻っていたというから驚きです。

散歩に出ると、ちょっとあやしい空模様が幻想的な雰囲気をかもしだしていて、いい感じです。
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3.6キロにわたり8000本あるという松の木。
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その姿は優雅で、どこまでも歩いて行きたくなってしまうようでした。
日も暮れ、廻旋橋もいっそう風情を増しました。
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そろそろお待ちかねの晩御飯の時間です。
# by lily_ririka | 2013-10-02 00:25

上野の森から

もう少し前になってしまいましたが、蓮の花が真っ盛りの上野に行ってきました。

友人との待ち合わせは、上野駅構内のたいめいけんで。
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さすが老舗洋食店の味、オムレツもボルシチもパンも美味しく、話がはずみます。
ここで長居してしまってはいけないね、ということで日差しがまぶしい外へ。

蝉の鳴き声が降るようですが、上野の森の大木が日傘となってくれて、思ったより快適です。
突き当たったのが清水観音堂。
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京都の清水寺を模して造られたお寺です。
「清水の舞台から飛び降りる」としても、東京のそれはとても可愛い舞台です。
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朱色が上野の緑によく映えます。

ここから階段をおりていくと、弁天堂へ。
こちらは琵琶湖竹生島を模したもの。
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両側の不忍池の蓮に気持ちが浮き立って、なかなか弁天堂にはたどりつけませんでした。
目の高さに見渡す限りピンクの花が連なる様子はかなり幻想的。
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満開の花はもちろん、つぼみも花びらが散った後も風情があります。

つづき
# by lily_ririka | 2013-08-19 00:06

2月からずっと午前中はリハビリに行かせてもらっていて、その回数が減った今、中野駅の朝の風景が変わっていることに気づきました。
会社の外にでてみれば・・・活気づく中野_f0146013_0145166.jpg

駅前で女子大生が待ち合わせをしている。
そして、サラリーマンの姿もぐっと増えた。

この4月から明治大学と平成帝京大学の中野キャンパスがスタートし、キリンビール本社が中野に引っ越してきたことは知っていました。

しかし、この春、午前中はあまり中野にいなかった私は、だいぶ遅れて、その変化を実感したのです。

先月末に参加した中野の商工会議所関係の異業種交流会に出て、ますますその感を強くしました。

会場は昨年秋にオープンした中野セントラルパーク。
ここは丸の内が引っ越してきたのかと思うような、都会的な空間です。

会は、この4月に中野に越してきた会社や大学の歓迎会も兼ねていました。

一番印象的だったのが、キリンビールの社長さんです。
「このような歓迎の会を開いてくださったのは中野区が初めてで、感動しております。
あ、○○区や、○○区(かつてキリンビールの本社があった区)にはオフレコにお願いします」
などとユーモアたっぷり。

何より印象的だったのが社長さんの目の輝きです。
仕事を、会社を、そして社員を愛している目。
そして、常に未来を見つめて、進んでいく、やりがいを感じているような目。
こんな表情で仕事をしたいものだと、思わされました。

中野には飲食店がそれはたくさんあります。
「私たちの方からもお店にうかがいますが、どうぞ、キリンビールをよろしくお願いいたします」
と話を結ばれました。

ビール会社の方々にとって、仕事の後に飲みにいく時間は、ヒントとインスピレーションに満ちている時間でしょう。

そして、平成帝京大学の学長さんはとても綺麗で感じの良い女性でした。
東大医学部を出たお医者さんで、まだ30代後半の若さです。

それまでの中野は私にとって、どちらかというと年齢層が高く、シニアが多い街というイメージでした。
それが大学生やサラリーマンという新しいエネルギーが入ってきて、街が活気づいていると感じます。

この日、私と同僚は会社の新規事業、シニア向けPCスクールのPRのためにこの会に出向いていました。
シニア!と見れば、駆け寄ったり、ときには待ち伏せしたり。
かなり怪しいシニア・ハンティングを繰り広げた二人でした。

でも、面白い人々に出会えました。
会が始まるやいなや、いただいたペットボトルを思い切り落としてしまった私。
もう少しで、すぐ近くの方の足元を直撃するところでした。
その方は眉をしかめるどころか、満面の笑みでこちらを振り返ってくださいました。

「これも何かのご縁ですから」
と名刺を出してくださって、名刺交換。
翌々日には、「先日はありがとうございました」
とお葉書まで届きました。

慣れ親しんだ空間を一歩外に出てみると、勉強になることばかりです。
# by lily_ririka | 2013-07-05 00:17

好きな食べ物をとことん繰り返し食べるタイプです。

特に朝食がそう。
今も5か月ほど続いている朝食が。
それが、カトル・カール。
カトル・カールを焼きながら_f0146013_0292251.jpg

きっかけは2月から腕のリハビリが始まったことでした。
心身共に消耗するため、なにか力がついて美味しい物、と思い、パウンド・ケーキを焼くことにしたのです。

しばらくは、クルミとレーズン、アプリコットを入れた、綺麗な切り口のパウンド・ケーキを焼き続けていました。
冬が終わり、暖かくなる頃、ちょっと重く感じ始めて、 「そうだ!カトル・カールにしよう!」 と思い立ちました。

パウンドケーキはイギリスのケーキ。
カトル・カールはフランスのお菓子で、「4分の1が四つ」の意味で、小麦粉・バター・卵・砂糖の4つの材料を、全分量の4分の1ずつ用いることからついた名前です。
分量がいいのか、パウンド・ケーキよりふわっと、きめ細かくできるような気がします。

私が最も好きなのは作家の吉村葉子先生のお店、ジョルジュ・サンドのカトル・カール。
シンプルな外見ながら、口の中でとろけるよう。バターの香りがふわっと広がります。
特に、クランベリーの入ったものは、赤が効いて、切り口も可愛く、絶品です。

クックパッドの人気レシピで作ってみたら、雰囲気としてはかなり近いものができあがりました。
国産の干した杏がみつからなくたってきたので、今はドライ・パイナップルを入れています。

黒砂糖で作ると、とてもコクのある体に良さそうなケーキになります。
でも、やっぱり、ここは白砂糖で、ふわっと作るのが好みです。

レシピ通りに、レモンの皮をすっていれたら、香の記憶がよみがえりました。

あれは小学校一年ぐらいでしょうか。父の親友のお宅におよばれした時のことです。
その時に初めて、手作りのパウンドケーキをいただいたのでした。

外国の味がすると夢見心地になったのですが、それは、レモンの皮の香りだったのだと気がつきました。

それ以来、ノーワックスのレモンは冷蔵庫の常連です。

そして、このケーキを焼きながら、ときどき頭をよぎるのは森村桂さんのことです。
中学生の頃、森村桂さんの本を何冊か読んだのですが、とにかく、ケーキに憧れを持っている方でした。
そして、森村さんはパリで、シンプルだけれど、とても美味しいケーキに出会います。
それが、「キャトルキャー」。

「カトル・カール」を知った時、「あ、これが、森村さんのキャトルキャーだわ」と思いました。
そう聞こえたのでしょう。何だかほほえましい気分になります。

そして、やっぱりこのケーキを初めておしえてくださった吉村先生のことを思います。
会った人誰でもがファンになってしまうあたたかい笑顔に、歌のように明るくて表情のある素敵な声。
先生のことを思い浮かべただけで、自分のキャパシティまで広がるような気持になれてしまいます。

作りながら、いろいろな人の顔が思い浮かぶケーキです。
# by lily_ririka | 2013-07-02 00:29